恋文

さだまさし( 佐田雅志 ) 恋文歌詞
1.愛

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

あなたに会いたい
泣きたいほど会いたい

たった一度のめぐり会いといえど
奇跡を超えた出会いや人がある
一生かけても届かない恋もあるけれど
たった二分でも一生分の恋を駆け抜ける
たとえばあなたに捧げる無限の愛のように

あなたに会いたい
泣きたいほど会いたい

永遠の約束を守る誓いのように
どれほど願っても叶わないことがある
一生かけても届かない夢もあるけれど
たった二分の恋が幾千万年の時を超える
たとえばあなたに捧げる無限の愛のように

あなたに会いたい
泣きたいほど会いたい
たとえばあなたに捧げる無限の愛のように

あなたに会いたい
あなたに会いたい……


2.決心~ヴェガへ~

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

これが私の最後の答ですと夜汽車に飛び乗った
どんなにつらい事も耐えて見せますと笑顔で告げた
折からペルセウスの流れ星夜空を埋め尽くしていた
君は銀河鉄道に乗って今織り姫のヴェガになる

いつか故郷(ここ)へ帰ってくるときには
幸せの馬車でおいで
どんなときにも君の選んだ
最後の答を信じて

夜空の果ての道を行くとき傷を恐れちゃいけないよ
人は間違う生き物だから間違いを恐れちゃ駄目
未来は一体何のためにあるかと考えてご覧
どんな人も昨日の過ち正すために未来はある

君が故郷(ここ)へ帰ってくるときには
花びらを撒いて迎えよう
どんなときにも君の選んだ
最後の答を信じて

いつか故郷(ここ)へ帰ってくるときには
幸せの馬車でおいで
どんなときにも君の選んだ
最後の人を信じて


3.恋文

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

一人で人知れず旅に出る
誰も知る人のない町へ
海辺の風の吹く遠い町で
遙かな君を想うために

その町で君への切ない恋文を
したためるつもり
一文字ずつ一文字ずつ
この恋を刻むように

二人で旅をしたあの町の
湖の畔に咲く花
群れなす秋茜 川縁の道
ゆらりと僕の影法師

あの町で君からの悲しい恋文を
読み返すつもり
ありがとうと さようならと
もう一度と 愛してると

その町で君への切ない恋文を
したためるつもり
一文字ずつ一文字ずつ
もう二度と会えない人へ

ありがとうと さようならと
もう一度と 愛してると


4.黄昏坂

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

待てない訳ではないけれど
もう待たないことにする
待たせてるほうが辛いでしょう
あなたのほうがずっとずっとずっと

季節は再び巡り来て
花咲き鳥は啼く
私は何かと引き替えて
二度と歌わない鳥になる

黄昏坂で今すれ違ったものは
紛れもなく自分同士
ひとりは光の中へひとりは闇の中

本当でもない嘘でもない
そういうものはある
約束に似た希望にも似た
たとえば祈りのような恋

私の季節は巡らない
咲いたとしても別の花
私はあなたと引き替えて
二度とは咲かない花になる

黄昏坂で今見失ったものは
紛れもなく自分同士
ひとりは光の中へひとりは闇の中

待てない訳ではないけれど…


5.やさしい歌になりたい

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

東へ流れて行く はぐれ雲を見送り
遠い町で暮らしてる あなたを想う
寂しいとも言えずに 独り膝を抱えて
今頃どんな歌を 歌うのだろう

ふるさとの夢を 歌う日もあるだろう
恋しい人の名を 呟く日もあるだろう
時々わたしのことを 想い出しておくれ
春の日も秋の日も あなたを想っているよ

傷つき辛い時に
黙って隣りにいて
それだけで暖かい そんな歌になりたい

北の空へと帰る はぐれた鳥が一羽
一声啼いて飛ぶよ ふるさとは遠い
父のくれた時計は 胸で時を刻むよ
母のくれた夢はまだ 胸に熱いよ

強い夢ならば いつかは叶うだろう
遠い道のりでも いつかは届くだろう
寄せては返す波に 今日も願っている
いつの日かあなたが しあわせになるようにと

切なく苦しい時に
黙って隣りにいて
それだけで暖かい そんな歌になりたい

孤独で悲しい時に
黙って隣りにいて
それだけで暖かい そんな人になりたい


6.ローズ・パイ

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

薔薇の形の角砂糖がもうなかなか手に入らないから
魔法が使えないというので人気薄でも
店をやめようにもやめられない
変な歌で有名になって
二丁目の交差点から17軒目に
こだわる客に参ってる

マスターの息子が僕の娘に恋をしたというから
面白い事になって来たぞと眺めてたら
あのバカ息子と来たらもう不器用が化膿しちゃってて
ドジがとぐろ巻いちゃってると娘も呆れていた

そうさ青春なんてそんなもの
ホントは格好悪くて情けなくって金も無くって
それで良いのだ
そうさ今しか出来ない悩み事
生きる事の不安からえっちな悩み
真面目な恋や夢を抱きしめ

マスターの息子と来たらもう根性だけはあるらしくて
うちの娘に二度告白して三度断られて
恋は止めようにも止められない
二丁目中の笑い者でもあわれなくらい一途で
結構良い男なんだけどな

ついに娘が条件を出したパンプキン・パイよりずっと美味い
お菓子を作る事が出来たら考えるわと
ちなみに私は薔薇の香りが大好きなんだけどってなんだよ
娘の方だってまんざらでもないんじゃねーのか

※そうさ青春なんてそんなもの
ホントは格好悪くて情けなくって金も無くって
それで良いのだ
そうさ若い二人の恋はローズ・パイ
生きる事の不安からえっちな悩み
真面目な恋や夢を抱きしめ※

薔薇の形の角砂糖はもうなかなか手に入らないけど
ローズ・パイが美味いと世間では大人気でも
店を広げようにも出来ない
変な歌で有名になって
二丁目の交差点から17軒目に
こだわる客に参ってる

(※くり返し)

そうさ若い二人の恋はローズ・パイ


7.春爛漫

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

頑張ったって出来ないこともあるよね
何回やっても駄目なことも
完璧だと思ったのに相手が上だった
はずれクジばかり引いてるようで
なあに ちいさなはずれは当たりの貯金
いつかはどーんと大当たり
そう たとえばあなたに出会えたように
大切なあなたに大当たり

ほら桜が咲いた咲いた咲いた
ほら桜が咲いた幸せ色に

頑張ったふりしてサボったこともあるよね
どうせどうにもならない気がして
でも絶対あきらめちゃ駄目
季節が巡るように春が来る
なあに ちいさなはずれは当たりの貯金
いつかはどーんと大当たり
世の中それほど悪くはないさ
あなたに出会えた大当たり

ほら桜が咲いた咲いた咲いた
ほら桜が咲いた幸せ色に

ちいさなはずれは当たりの貯金
いつかはどーんと大当たり
人生駄目で元々じゃないか
季節は巡る運も巡る

ほら桜が咲いた咲いた咲いた
ほら桜が咲いた幸せ色に
桜が咲いた咲いた咲いた
ほら桜が咲いた幸せ色に
……


8.ふたつならんだ星~アルビレオ~

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

美しいものを見るたび あなたを思い出す
惜しみなく私に注ぎ込まれたあなたの愛のことを

初めて海を行く船のように
何も見えない私に
目指すべき星の光になり
私の場所を教えてくれた
闇夜に惑う私には あなたは明るい月
迷いもせず あなたを辿って生きてきた

韓紅と瑠璃色とふたつならんだ星よ
その名はアルビレオ美しい星あなたと私の夢
儚いものに出会うたび あなたを思い出す
弱いもののために注ぎ続けた あなたのまなざし

初めて空を飛ぶ鳥のように
何も知らない私に
目指すべき虹の架け橋となり
雲に紛れて守ってくれた
闇夜に迷う私には あなたは優しい星
疑わずに あなたを辿って生きてきた

韓紅と瑠璃色とふたつならんだ星よ
その名はアルビレオ美しい星あなたと私の希望

美しいものを見るたび あなたを思い出す
惜しみなく私に注ぎ込まれたあなたの愛のことを


9.遥かなるクリスマス

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

メリークリスマス
二人のためのワインと それから君への贈り物を抱えて駅を出る
メリークリスマス
外は雪模様気づけば ふと見知らぬ誰かが僕にそっと声をかけて来る
メリークリスマス
振り向けば小さな箱を差し出す
助け合いの子供達に僕はポケットを探る
メリークリスマス
携帯電話で君の弾む声に もうすぐ帰るよと告げた時のこと
メリークリスマス
ふいに誰かの悲鳴が聞こえた
正面のスクリーン激しい爆撃を繰り返すニュース
メリークリスマス
僕には何も関係ないことだと
言い聞かせながら無言でひたすらに歩いた

メリークリスマス
僕達のための平和と 世の中の平和とが少しずつずれ始めている
メリークリスマス
誰もが正義を口にするけど 二束三文の正義
十把一絡げの幸せ つまり嘘
メリークリスマス
僕はぬくぬくと君への 愛だけで本当は十分なんだけど
メリークリスマス
本当は気づいている今この時も
誰かがどこかで静かに命を奪われている
メリークリスマス
独裁者が倒されたというのに 民衆が傷つけ合う平和とは一体何だろう
メリークリスマス
人々はもう気づいている 裸の王様に大人達は本当が言えない

メリークリスマス
いつの間にか大人達と子供達とは
平和な戦場で殺し合うようになってしまった
メリークリスマス
尤も僕らはやがて自分の子供を
戦場に送る契約をしたのだから同じこと
メリークリスマス
子供の瞳は大人の胸の底を 探りながらじわりじわりと壊れてゆく
メリークリスマス
本当に君を愛している 永遠に君が幸せであれと叫ぶ
メリークリスマス
その隣で自分の幸せばかりを 求め続けている卑劣な僕がいる
メリークリスマス
世界中を幸せにと願う君と
いえいっそ世界中が不幸ならと願う僕がいる

メリークリスマス
僕は胸に抱えた小さな 君への贈り物について深く深く考えている
メリークリスマス
僕は君の子供を戦場へ送るために この贈り物を抱えているのだろうか
メリークリスマス
本当に君を愛している 永遠に君が幸せであれと叫ぶ
メリークリスマス
本当に本当に君を愛している 永遠に永遠に君が幸せであれと叫ぶ

メリークリスマス
凍りつく涙を拭いながら
メリー メリークリスマス
生きてくれ生きてくれ生きてくれと叫ぶ
メリークリスマス
雪の中で雪の中で雪の中で
メリークリスマス
白い白い白い白い雪の中で

メリークリスマス
メリークリスマス
・・・・・


10.ちいさなおばあさん

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

私はちいさな おばあさんになりましょう
背中丸め 眼鏡越しに
なつかしい夢数えましょう
いつかはちいさな おばあさんになりましょう
愛おしくて 悲しい恋
しぼんだてのひらにひろげて

多分もう誰にも
詫びることなく
ひっそりとひっそりと
あなたを想いましょう

私はちいさな おばあさんになりましょう
切ないほど 不器用な手
木漏れ日にかざしましょう
いつかはちいさな おばあさんになりましょう
可笑しいほど 不器用な手
あなたを離してしまった

多分もう誰にも
笑われないで
いつまでもいつまでも
あなたを想いましょう

私はちいさな おばあさんになりましょう


11.愛~エピローグ~